PARAFIN COTTON BUSH COAT

ブランドイメージを牽引する凄みがあります。まさにRugged Clothingと言える本作にはエージングを前提とした迫力の佇まいがあります。

レングスとボリュームの絶妙なバランスを計算してあります。特に本作のようにエージングを主眼に置いたロングレングスのアイテムは、そのバランスが極めて重要になります。なぜなら将来の『味わい』如何によっては着にくいものになってしまう可能性があるからです。例えば、スタイリングの中で殆どのバランスを占めるコートが、尋常ならざる雰囲気を放っていては迫力負けして着にくくなってしまう。あるいは、着るのに相当の覚悟を要する可能性がある。そうならない程度の絶妙なバランスを見定めて設計していく必要がこの種のアイテムには必要なのだと考えます。

平織りの高密度コットンにパラフィンを施した日本の生地を使用しています。これは寒冷地で霧雨が多く、かつ狩猟文化を有する国、イギリスで生まれたワックスドコットンと同じく、撥水性の向上を目的としたものです。天然繊維における耐水性追求の歴史は古く、私はこれらをローテク・フィールド・ファブリックと呼んでいます。これらは総じて、現代の合成繊維にみられるハイテク技術による撥水とは比較できるレベルではないことを事前に明言させていただきます。

機能的には優れているハイテク素材ですが、いったん傷が付くと『味わい』として消化できないのも事実。一方で、時間とともに身体に馴染み、傷や汚れを纏いながらその全てを味わいとして昇華し、経年とともに変化した洋服の佇まいを『美しい』と感じる。それを実現できるのが、ある一定の基準を満たしたローテク素材なのだと私は考えています。

表面の傷のように見える部分は傷ではなく、パラフィンのクラックのようなものです。これはスチームアイロンで蒸してあげると幾分和らぎます。また、パラフィンは永久的なものではなく、経年を経て少しずつ落ちていきます。これぞエージングの幕開けです。

本作は裏打ちをしています。つまり裏から別の素材を当てた２枚構造なのです。比較的薄手の表地に別布を合わせて適所で結合させることで、少しずつピリつきを発生させています。これも『味わい』に対しての視覚的なアプローチと強度の補強を狙ったものです。

スロートタブは風が首に入り込むのを防止する目的で付いています。衿を立てた時、生地が首に当たって冷たさを感じないように表衿はコーデュロイになっています。衿を立てない時はスロートタブを反転させて衿裏に隠しておくこともできますが、私はぶら下げたまま着るのが好きです。

アンブレラヨークはその名の通り、雨がしみ込まないように２重構造になっています。要は素早く雨を流すのが目的なのですが、現代では傘もさしますしデザインになってしまったのでしょう。巷のコートのアンブレラヨークはフラットに付いているものが多い気がします。私は本作のように古き良き、波打つボリュームのアンブレラヨークのエレガントな後ろ姿が好きです。

ウエストベルトに付いたDカンは、トレンチであれば手榴弾でもぶら下げるのでしょうが、本作はBUSH COATですので、ギア類を吊り下げるためのディテールになります。

ウエストベルトは完全に取り外すことができます。バックルはあえて付いてなく、ベルトを縛るスタイルです。こちらの方が断然男勝りでカッコいいですよ。

袖口はコーデュロイでパイピングされており、アジャストすることがきてます。

先ほどお伝えしました裏打ち部分がHUNTER CAMOになっています。今期のAUTHENTIC OFFICER’S KHAKIやCREW HATのそれよりも薄手になります。
ミリタリーの世界にカモフラージュがあるように、ハンターの世界にもカモフラージュはあります。我々がHUNTER CAMOと呼ぶツリー柄の素材は、本場アメリカから輸入したものです。
BUSH COATの名前的にも相応しい柄ではないでしょうか。ドレスクロージングの世界では、裏地を柄物で遊ぶ文化があります。なかなか粋ですね。

味わいはサンドベージュの方が良く出ています。よりラギットな雰囲気をお好みのお客様は迷わずサンドベージュをご選択ください。オリーブは濃色ですのでクラックなどが沈み込み、落ち着きのある都会派の印象です。

商品名	PARAFIN COTTON BUSH COAT
品番	23307
価格	¥86,900 (税抜き 79,000)
展開色	サンドベージュオリーブ
展開サイズ	１・２・３・４
主要素材	綿100%
原産国	日本製