OPENEND TUBE SWEAT SHIRT

外観は至ってシンプル。だからこそ細部に神は宿るのだと思います。

オープンエンド糸(空紡糸)を使用しています。本場アメリカと違い、日本ではよほど指定をしないとお目にかかれないかもしれません。空気圧で繊維を撚り合わせるので繊維に多くの空気を含み、吸湿性・速乾性共に優れているといわれており、触っていただくとふっくらとボリュームがある一方で、シャリ感があり、やや硬めのドライな印象です。

デザインでアクセントを作るのではなく、フォルムから細部までをデザインした感じです。肩先から腕にかけて生地が落ちているのが見てとれます。この肩まわりのボリュームを『迫力』として吸収できるのはメリヤスがなせる技なのではないでしょうか。布帛ではそうはいきません。この肩の設計はご着用いただくとお分かりいただけると思いますがとても楽です。軽く感じるはずです。

肩を側面から見ました。向かって右が胸側で、左が背中側です。肩線が中心になく背中側に流れているのがお分かりいただけると思います。身体に当たる部分に構造線である縫い目を避けることで、僅かなストレスをも回避させています。肉厚な裏毛ですので、縫い目をより薄く仕上げるためにフラットシーマーで縫製してあります。

編み機は、現存する数少ない吊り編機を使用しています。『肌触りが良い』というのは編み機に起因している部分が大きいかと思います。その名の通り、上から吊りながら360°編みます。故に、本作には脇縫い目がありません。丸胴ともいいますが、脇縫い目が無いというだけでも着用感は変わってくるんです。編み終わった筒は下に落ちてくるので、生地にかかるテンションを少なく編むことができます。
ふっくらと柔らかな触り心地で、着用と洗濯を繰り返しても、風合いの良さが維持されるのが特徴です。

袖下のフラットシーマーが袖口リブに入り込んでいるのがお分かりいただけると思います。リブは編み立てていますので、胴体と同じく筒状です。ですので、わざわざ切り込みを入れてフラットシーマーで縫っているんです。繰り返しになりますが、肉厚な生地を少しでも薄く仕上げたいという思いから、フラットシーマーをあらゆる箇所に使っています。その結果、ここに技術と時間をかけた証が残ったのです。

袖口リブ同じく、ネックリブも編み立てていますので筒状です。棒状のリブを縫いつないで筒にするととどうしてもテンションが変わりますし、身体に当たる部分で違和感を感じます。だから筒状に編み立てるのです。胴体と衿リブの縫製は、普通は2本針ミシンで縫われますが、本作ではフラットシーマーで統一しています。すべては理想を実現させるために。
ここまで書いてきた、ひとつひとつの出来事は小さなストレスかもしれません。しかし1着の中で積もり積もっていくと、いつの間にか普通の製品になってしまうのがシンプルデザインの怖いところ。『細部に神は宿る』とはシンプルをただのシンプルで終わらせない、クリエーションを追求した証なのだと思います。

言葉でいうのは簡単ですが、これに賛同していただき手間と時間を費やしてくれた現場の皆様があって初めて実現できるものです。この場を借りて、関係各所の皆様にお礼をお伝えさせていただきます。

商品名OPENEND TUBE SWEAT SHIRT
品番23309
価格¥28,600 (税抜き 26,000)
展開色キナリ
オリーブ
展開サイズ1・2・3
主要素材綿100%
原産国日本製

Knari

Olive

サイズ着丈肩巾袖丈バスト
7151.561114
735362.5118
7554.564122
単位cm

  • 多少の寸法差、および個体差が発生しますが、全て検品済みで許容範囲での変動であることをご了承ください。
  • HPに掲載されている写真はサンプル時点のものです。予告なく、多少の修正が入る場合がございます。
  • お使いのモニター環境によって、色の再現性が異なる場合がございます。