タツに潜む。

本州で「四つ足の狩り」といえば、多くは「巻狩り」なのではないでしょうか。

巻狩りとは、犬と一緒に野生動物を追い込む「勢子(せこ)」と、それを迎え撃つ射手「立間(たつま)」この呼び名は地方によっても様々かと思いますが、大きくはこの2役によってなされるチームプレーです。

そして射手が先に山に入り、それぞれのタツ(ポジション)に到着するのを待って勢子が山に入ります。

「道なき道」を行くのも何回もやっていると、慣れてくるものです。不思議なもので「歩くべき道」がそれとなく見えてくるんですね。

渓流を登り、滑落しそうな場所をすり抜け、倒木の間を縫うようにして進む最中に発見する動物の「痕跡」を横目に、汗だくになりつつも到着。

普段は一眼レフでの撮影もここでは不可能です。壊れるかもしれませんし、何より装備が重くなるのは危険です。

ここは斜面なんですが、写真だと平地に見えますね、、、

アウトドアマン的にはバーナーでコーヒーでも入れたいところですが、そうもいきません。この場所のすぐ下には、アイキャッチ画像の「寝ぐら」があります。

ここでは「絶対の安全」は存在しません。基本的に相手は人間よりも強いと思います。
一定の緊張感を持ちつつ、気配を消して「欲」を消し去り、風景に同化するように心がけて、タツに潜むのです。

そして、もう一つの相棒がこの刃物。

叉鬼山刀(マタギナガサ)/西根打刃物製作所

これは必ず山に入る時は持って行きます。持ち手が袋状になっていることから「袋ナガサ」と呼ばれますが、この筒に棒を固定することで「槍」としても使えるマタギ達の刃物。

今回は4寸5分のものを使いましたが、別用途で7寸も使っています。
7寸は「鉈」として使用することもできますが、この4寸5分は鋭利な刃先で、放血がしやすく、脂肪が付着しても切れ味が持続することから重宝しています。

そして、今回の最大の目的が、日々廃棄されている「皮」を「革」にすること。
まずは、試作革の製作からスタートします。さて、どうなることやら。

コメントを残す