HOUYHNHNMさんのホームページで私のブログを掲載いただいていたのが、もう随分昔のことのように思えますね。
雑誌 Unpluggedに続いての掲載、本当にありがとうございました!



『自然と街で楽しむフィッシングファッション』という表題。
まさにコレですね。
特殊なギアを除いて、今の時代は街用途とアウトドア用途の区別がなくなっていると思います。むしろ趣味嗜好制が強く、方向性のはっきりしたファッションというのは、人物の背景を浮かび上がらせスタイリングを個性的に演出してくれます。
加えて言わせていただけるならば、私はコットンを中心に天然繊維で作られた洋服がこの分野に相応しいと思っています。何故なら、着込むことで育まれた『経年変化によるエージング』を美しいと感じ、それを楽しみにできるからです。
フライフィッシングをはじめとするフィールドスポーツには必ずと言っていいほど、ファッションとしての側面が付き纏います。
先達たちの写真を見るとジャケットは身体に馴染み、袖口は少し擦り切れていたりする。これを「カッコいい」と感じるか「汚い」と感じるかは個人の感性だと思う。
例えば、デニムとか古着が良い例です。ある程度のダメージが入ったものがカッコいいとされていますね。共通しているのはデニムもミリタリーウェアも『綿100%』ということ。つまり「天然繊維の洋服は新品の状態からある程度古くなってくるまで異なるカッコよさがある。」と私は思っています。そのような意図で新品の時からダメージ加工をした商品も世の中には数多くありますが、TAKE&SONSではそのような加工はしておりません。多くの商品は水洗いのみです。これは購入後の寸法変化を極力抑えることのみを目的としているためです。ダメージは着込んでいく過程で自然と付いてきます。これが冒頭でお話しした『エージング』です。この過程が重要なんです。後に、それが世の中に2着とないオリジナルの佇まいとなり、新品の洋服とは一線を画したスタイリングとなるのです。
現代的に表現するならば、このような長期間に渡る洋服との向き合い方は、ある意味でサスティナブルとも言えるのではないでしょうか。
TAKE&SONSでは、フィールドウェアをファッションとして成立させるべく、素材やサイジングを現代的にアレンジして表現しています。我々のField Style Clothesとはそういうものだと考えております。