いざ、浜松へ。vol.2

前回『いざ、浜松へ。vol.1』でお伝えさせていただいたコンセプトを型にするために、手始めに「綿」の選定を行う必要があります。

我々は、世界の綿産地の中でもアメリカを選択しました。アメリカは東海岸のコットンです。
このエリアの綿は品質の安定とコストのバランスが良い気がする、、、と言うより、私はアメリカ産が好きだ。相性が良い。

「撚糸」という言葉はご存知でしょうか。
糸に撚りをかけることを「撚糸」と言います。「撚り」は「ねじる」ことですね。このことによって糸に強度が備わります。

各糸番手の標準的な回転数よりも、強い撚りをかけた糸を「強撚糸」と言います。
先ほど「撚糸によって強度が出る」とお伝えしましたが、必ずしも回転数が多ければ優れた糸というわけではなく、撚糸によって生地の風合いも変化するので、あくまでも「イメージ」の素材を作るために最適な回転数を導き出す必要があります。

ここで、簡単にコンセプトのおさらいを。
「ある程度、軽い」「強度」「風合いと味わい」を備えた生地にしたい。

ここで言う「軽い」とはT & S的に軽いというだけで、一般的には普通だと思います。
しかし、糸そのものはある程度細い必要があります。
そのため「強度」をHeavyDutyの領域にするためには強撚までもっていかなければならなく、同時に風合いも理想と変わってしまうだろうということが懸念されました。

そこで、2本の糸を1本に撚り合わせることを強度に対してのアプローチとしました。これを「双糸」といいます。

このことで強撚にする必要がなくなり、USAコットンの風合いを再現できる撚糸回数にできました。
厳密には、糸番手に対する標準回転数より少し多い回転を加えています。これは、コットンの「ケバ」を綺麗に巻き込みたかったからです。

こうしてできた糸を織機にかけますが、その前に準備があります。

これは「綜絖通し(そうこうとおし)」と言い、生地の設計図の通り、必要な経糸本数を綜絖に1本ずつ通す作業。これを織機にセットするのです。アイキャッチ画像に見られる針です。

設計に関するので本数はお伝えできませんが、高密度の生地につき、凄まじい本数です。
何百本どころではない何千本の域です!

vol.3につづく。

コメントを残す