「10w No.1 Jacket」「ORB No.1 Jacket」
このジャケットはカジュアルゾーンでは売れないのかもしれない、、、かといってT&Sはバリバリのドレスブランドではない。やはりカジュアルブランドに属するでしょう。
本来であれば、この棲み分けに従って「らしい商品」を作った方が、バイヤー様にもセレクトしていただきやすいのかもしれない。なぜなら、お店がそのように構成されており、バイヤー様もカテゴリーで存在するからだ。
普段ヘビージャケットを愛用する人も、男である以上はドレスアップしなければならない時もある。
そんな時「隣の女性をエスコート」するようなエレガントなシルエットで柔らかい生地のジャケットは、照れくさくて私は着れないのであります。
着込むほどに身体に合ってくるような、味わい深い生地には重みがなければならない。
そして仕立てにも拘る必要がある。
毛芯によって仕立てられたジャケットは、纏う雰囲気が違う。佇まいの次元が変わるのである。
そして、洗いざらしのオックスフォードのボタンダウンにバタフライノットを締める。
私は、そんなジャケットがこの分野には必要だと考えています。
小林 泰彦さんは1977年に著書の中でこう仰っています。
「ヘビーデューティーを服装の体系としてみたとき、驚くほどアイビー=トラディショナル体系に似ている。つまりヘビーデューティーのトラディショナルな部分はアイビー=トラディショナル体系のアウトドア部門、あるいはカントリー部門と言える」と。
また、アイビー=トラディショナルの方にもヘビーデューティーのハートがあって、ヘビーデューティーの中のトラッドな部分を指してヘビーデューティー・トラッド『ヘビトラ』、あるいはヘビーデューティー・アイビー『ヘビアイ』と名付けておられます。(私はそう解釈しています)
そのように捉えると、米国にて1918年に発表されたアメリカントラッドの原風景と言われる「1型」を私なりの想いで作ったこのジャケットは、氏の言葉を借りて言うならヘビーデューティーを愛する『ヘビトラ』な人にこそ着ていただきたい洋服で、TAKE & SONSの世界観を広げてくれるアイテムなのです。
根幹には、いつもこのジャケットがあるのかもしれません。