2017秋冬の企画をスタートするにあたり、この1年を回想して思うことがある。
そして、ついにこの本を取り上げる時が来た。
1977年に婦人画報社から刊行された「ヘビーデューティーの本」は小林 泰彦 氏の著書です。(アイキャッチ画像はヤマケイ文庫から2013年に復刻版として刊行されたものです)
私に影響をくれた本として、これは絶対に外せない。
学生時代にこの本を読んだ時の衝撃が思い出される。
残念ながら当時の本を無くしてしまったようだ、、、探しても見つからない。
私は、多大な影響を受けた2代目「ヘビーデューティーの本」を永遠のバイブルとして大切に保管している。
当ブログでも過去に何度か氏の言葉に触れさせていただいていますが、その中でも私にインパクトをくれた言葉を、本書の原文を私の解釈を含めてあえて繰り返そう。
ヘビーデューティーを服装の体系としてみた場合に気がつくことは
驚くほどアイビー=トラディショナル体系に似ていることだ。
そして共通の部分が多いことだ。
ヘビーデューティーのトラディショナルな部分は
トラディショナル体系のアウトドア部門かあるいはカントリー部門と言える。
つまり、ヘビーデューティーはアイビー=トラディショナルの
アウトドア版と言っても良いくらいだ。
そして、ヘビーデューティーにもトラディショナル(トラッド)はある。
例えば、映画で見るシーンに社会人として
正統派のトラッドを着こなしている紳士が
休日にフライフィッシングに行くときは
ペンドルトンクラシックスにマッキーノクルーザーを重ね
足元はコンビネーションのハンティングブーツだったりする。
このヘビーデューティーの中のトラッドな部分を氏は「ヘビトラ」(Heavy Duty・Trad)と命名している。
私はこの「ヘビトラ」を逆転の解釈にしたいと思っている。
ヘビーデューティーなアウトドアマンが社会人として都会でするスタイリング。という具合に。
それが、T&Sの一角を成すべきだと。
実はデビューシーズンの2016AW Collectionでその片鱗を見せたものの、敢え無く撃沈して商品化されなかった一連だ。この恐怖に打ち勝つことができずに、2017SS Collectionではそれらを一切排除し、“カジュアル”に寄せていた。
しかし、次期2017AW Collectionでは、再びチャレンジしてみようかと思っている。
今になって、この消え去ったラインナップにお客様からのお問い合わせが立て続いている、、、これは共感していただいている証拠だと思う。
「それに応えたい」作り手の想いを汲んでくれるショップ様はないだろうか。
「ヘビーデューティーの本」著者小林 泰彦 氏。
ヘビーデューティーとは何か?
1970年代に大ブームとなったライフスタイルがここにある。